「脳梗塞って、おじいちゃんがなる病気じゃないの?」
俺もそう思っていました。34歳で倒れるまでは。
一人暮らしの部屋で突然、手足の感覚がおかしくなり、
気づいたら救急搬送されていました。
診断名は脳梗塞。「若年性」というやつです。
この記事では、俺自身の経験を踏まえながら、
若年性脳梗塞とは何なのかを解説していきます。
「自分には関係ない」と思っている20〜40代の人にこそ、読んでほしいです。
若年性脳梗塞とは?
若年性脳梗塞とは、おおむね45歳以下の若い世代に発症する脳梗塞のことをいいます。
脳梗塞は脳の血管が詰まり、血流が途絶えることで脳細胞がダメージを受ける病気です。脳は体のあらゆる機能を司っているため、詰まった場所や範囲によって、手足の麻痺・言語障害・視野の異常など、さまざまな症状が現れます。
一般的に脳梗塞は50代以降に増えていく病気ですが、若年性脳梗塞の罹患率は脳梗塞全体の2〜4%程度あり、決してゼロではありません。
中高年の脳梗塞と何が違う?
脳梗塞の原因として多いのは動脈硬化です。高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病が積み重なって血管が傷み、血栓ができて詰まる——これが典型的な中高年の脳梗塞のパターンです。
一方、若年性脳梗塞では動脈硬化以外の原因が大きな比率を占めます。若い人の場合、動脈硬化が原因となるケースは全体の20〜30%程度にとどまるとされています。
では残りの7割は何が原因なのか?代表的なものを見ていきましょう。
若年性脳梗塞の主な原因
① 卵円孔開存(らんえんこうかいぞん)
これは、心臓の心房と心房の間にある小さな穴が、生まれた後も閉じずに残っている状態です。
胎児のうちは母親の胎盤から酸素をもらうため、この穴(卵円孔)が開いたまま血液を循環させています。通常は生後に自然に閉じますが、成人でも約20〜25%の人に残っているといわれています。
通常は特に問題ありませんが、足などにできた血栓がこの穴を通り抜けて脳の血管に飛んでいくと、脳梗塞が起きます。これを「奇異性脳塞栓症(きいせいのうそくせんしょう)」と呼びます。
原因不明の若年性脳梗塞において、卵円孔開存はとくに注目されている要因のひとつです。
② 抗リン脂質抗体症候群
免疫系の異常によって血液が固まりやすくなる病気です。血栓ができやすい体質になるため、脳梗塞のリスクが上がります。膠原病(全身性エリテマトーデスなど)に合併することもあります。
③ もやもや病
脳の内頸動脈という太い血管が徐々に細くなっていく原因不明の病気です。若い人にも発症し、脳梗塞または脳出血の原因となります。脳血管造影の画像が「もやもや」と煙のように見えることからこの名がつきました。
④ 脳動脈解離(のうどうみゃくかいり)
脳の動脈の壁が裂けてしまう状態です。壁の内側に血液が入り込むことで血管が狭くなり、血流が途絶えて脳梗塞が起きます。
実は、俺がなった脳梗塞がこれです。
激しい運動をしたわけでも、首を強くぶつけたわけでもありませんでした。
「なぜ裂けたのか」、はっきりした原因はわからないまま。
それが脳動脈解離の怖いところで、誘因がはっきりしないケースも少なくないそうです。
脳動脈解離は比較的若い世代に多く、激しいスポーツや首への衝撃、急激な頭の動きなどが引き金になることがありますが、日常生活の中で突然起きることもあります。
⑤ 生活習慣病(動脈硬化)
近年は食生活の欧米化などにより、30代でも高血圧・糖尿病・脂質異常症を抱えるケースが増えています。これらが重なると、若いうちから動脈硬化が進み、脳梗塞のリスクが上がります。
「若いから大丈夫」は本当に危険
俺は倒れる前、自分が脳梗塞になるとは微塵も思っていませんでした。
多少不健康な生活をしていたけれど、
「まだ30代だし」と高をくくっていた部分は正直あります。
実際に倒れてみて初めてわかったのは、
若さは「脳梗塞にならない保証」ではないということでした。
若い人の場合、脳梗塞の症状が出ても「疲れかな」「寝れば治るだろう」と見過ごしてしまうことがあります。しかし脳梗塞は発症後の対処が非常に重要で、治療開始が遅れるほど後遺症のリスクが高まります。
また、若いほど回復力があると思われがちですが、後遺症のリスクは年齢に関係なく存在します。「若いから」という油断が、受診の遅れにつながることが最も危険です。

30代・40代が知っておくべきこと
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | おおむね45歳以下の脳梗塞 |
| 割合 | 脳梗塞全体の2〜4% |
| 主な原因 | 卵円孔開存・心疾患・凝固異常・動脈解離・動脈硬化など |
| 中高年との違い | 動脈硬化以外の原因が多い |
| 注意点 | 「若いから」と症状を軽視しない |
まとめ
若年性脳梗塞は決してレアケースではありません。30代・40代でも十分に起こりえる病気であり、原因も中高年とは異なる場合があります。
気になる症状(急な手足のしびれ・ろれつが回らない・片側の視野がおかしいなど)があれば、年齢に関係なく早めに医療機関を受診することが大切です。

著者:のぞむ(脳梗塞・心不全・糖尿病の当事者)
自分の闘病経験が、誰かの「まさか自分が」を防ぐヒントになれば、このブログを書く意味があると思っています。
※この記事は当事者の体験と公開情報をもとに作成しています。医療上の判断は必ず医師にご相談ください。


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