脳梗塞の前兆・初期症状——今振り返って気づく見逃したサイン

脳梗塞の前兆・初期症状——今振り返って気づく見逃したサイン 情報・解説

倒れる数日前から、頭痛があった。ある日、たまたま鏡に映った自分の顔を見たら、顔色が明らかに悪かった。倒れた当日も、仕事を早めに切り上げて「明日病院に行こう」と思うくらい体調が悪かったのを覚えている。頭の片隅では、父がくも膜下出血になったときのことがよぎった。それでも「まさか自分が」とは思わなかった。結局その日、一人で家にいるときに倒れて、ようやく脳のトラブルだと気づき、必死に救急車を呼んだ。今振り返れば、あの数日間には、いくつものサインがあったんだと思う。

今振り返れば前兆だった、非典型的なサイン

倒れる前の数日間、俺には頭痛、倦怠感、肩こり、顔色の悪さといった症状があった。ただ、正直に言うとこれらは、正直どれもありふれた不調に見えるものばかりだった。頭痛も肩こりも、疲れているときには誰にでもあることだし、顔色の悪さだって、寝不足かな、くらいにしか思わなかった。

こういう非特異的な症状の組み合わせが、実は脳のトラブルの前兆だったと分かるのは、あくまで結果を知っている今だからこそだ。当時の俺は、これらを「ただの体調不良」として片付けてしまっていた。

脳梗塞の代表的な初期症状——FAST

脳梗塞の初期症状を見分ける指標として、「FAST」というものがあるらしい。Face(顔の歪み)、Arm(片腕に力が入らない)、Speech(ろれつが回らない、言葉が出ない)、Time(症状に気づいたらすぐに時間を確認して救急要請する)の頭文字を取ったものだ。これらの症状が1つでも当てはまれば、迷わず119番通報すべきとされている。脳梗塞は発症から治療開始までの時間が勝負で、時間を浪費すると有効な治療の機会を逃してしまうらしい。

俺が家で倒れたときの詳しい状況は自分でもはっきり覚えていないけど、こうした典型的な症状が出ていたんだろうと思う。

脳梗塞の再発を防ぐために、退院後にやるべきこと
脳梗塞は10年で約半数が再発するといわれています。退院後に何をすれば再発を防げるのか。服薬・通院・生活習慣・血圧管理など、当事者が具体的に解説します。

一過性脳虚血発作(TIA)という警告サイン

調べていて知ったのが、「一過性脳虚血発作(TIA)」という、脳梗塞の前触れとなる発作の存在だ。一時的に脳の血流が悪くなることで、脳梗塞と似た症状が数十分程度で治まってしまうものらしい。症状が消えたからと安心して放置すると、TIAを起こした人の10〜15%が、その後3ヶ月以内に本格的な脳梗塞を発症するという報告もあるようだ。

俺が経験した頭痛や倦怠感がTIAそのものだったのかは分からないけど、「症状が一時的に治まったから大丈夫」という判断がいかに危ういか、この数字を見て改めて思い知らされた。

家族歴があっても「まさか自分が」と思ってしまう心理

俺の父はくも膜下出血を経験している。だから脳の病気について、まったく知識がなかったわけじゃない。体調が悪かったとき、頭の片隅で父のことがよぎったのも事実だ。それでも「まさか自分が」と思ってしまい、すぐに病院に行くという判断には至らなかった。

これは今振り返ると、典型的な正常性バイアスだったんだと思う。知識があっても、経験者が身近にいても、それでも「自分だけは大丈夫」と思ってしまう心理が働く。だからこそ、「知っていること」と「実際に行動できること」は別物なんだと痛感している。

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一人暮らし、倒れても誰も来ない

一人で倒れて気づいた恐怖、そして救急要請

結局、体調が悪いなと思いながらも様子を見てしまい、その日の夜、一人で家にいるときに倒れた。倒れて初めて「これはただごとじゃない」と気づき、必死に自分で救急車を呼んだ。一人だったからこそ、あの瞬間の恐怖は今でもよく覚えている。もし誰かが近くにいなかったら、と考えると、今でもぞっとする。

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まとめ

頭痛、倦怠感、肩こり、顔色の悪さ——今思えば、これらは俺なりの前兆だったんだと思う。でも当時はどれも「よくある不調」として片付けてしまい、結局は一人で倒れてから、ようやく事の重大さに気づいた。

異変を感じたら、様子を見ずにすぐ病院へ。少しでも「おかしい」と思ったら、迷わず救急車を呼んでほしい。「まさか自分が」という気持ちは、誰の中にもある。だからこそ、その気持ちに負けずに行動することが、何より大事なんだと伝えたい。


著者:のぞむ(脳梗塞・心不全・糖尿病の当事者)
自分の闘病経験が、誰かの「まさか自分が」を防ぐヒントになれば、このブログを書く意味があると思っています。
※この記事は当事者の体験と公開情報をもとに作成しています。医療上の判断は必ず医師にご相談ください。

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